請求書や見積書の作成、サンプルデザイン画像の提示などビジネスの様々なシーンで当然のように利用されているPDF。ここではそのPDFが開発された背景や国際標準化に到るまでの歴史についてご紹介します。
今や電子文書フォーマットのデファクトスタンダードとして国際的にも認められるPDF(Portable Document Format)はPhotoshopやIllustratorなどの画像処理ソフトを提供するアドビ社によって開発されました。
1982年にアドビ社を共同創設したジョンワーノック氏が1990年代始めに、アナログとデジタルの橋渡しを目的としたプロジェクト「Camelot」を発足。1992年にどのコンピュータでも表示や印刷が可能なファイルフォーマット・PDFを開発しました。
その当時はインターネット環境が現在のように整備されておらず、ファイルの送受信に時間がかかりテキストファイルより扱いが難しいことから普及しませんでしたが、1993年にアドビ社がPDFの仕様を公開してから流れが変わりました。
1994年にPDFリーダー「Adobe Acrobat Reader」を無料公開したことで、多くの人がPDFを知るようになり、その後アドビ社はPDF作成ツールにより利益を上げられるまでに利用が拡大しました。
PDFはそれから何度も標準化が議論され、2007年7月2日にようやく国際標準化機構(ISO)の規格承認を受けることになりました。PDFを手放して国際規格化することはアドビ社にとってメリットとデメリットの両方があったからです。
PDFは仕様が公開されたとは言ってもドキュメントのコントロール権はアドビ社が所有していました。PDF仕様書の変更やその内容の公開の権利はアドビ社が握っていたため、オープンではないという批判もありました。
インターフェイスを統一することを重視しアドビ社では自らが保有する選択をしたわけですが、世界で標準化への関心が高まっていたことやPDFの成熟度が増してきたことを受け、国際規格化へ舵を切ることになったのです。それにより、今日では様々なメーカーから数多くのPDFソフトがリリースされています。
2020年、世界には2.5兆のPDFファイルが存在しているとされますが、ここまで普及したのはこうした国際標準化の流れだけでなく、ネット回線高速化やブラウザへのPDFリーダー機能搭載など世界トレンドに乗れたことも大きいでしょう。
今では自社のシステムにPDFエンジンを
組み込むソリューションまで登場
ここではペーパーレス化を目指す企業・自治体に向けて、有料版PDFソフトを調査。
PDFの作成・編集/加工・セキュリティといった基本的機能に加えて、安心・安全にビジネスで使っていける機能(※)を持つ“高機能”な製品の中から、企業ニーズに合わせたオススメの3製品を紹介しています。
※タイムスタンプ、電子印鑑/電子サイン機能の搭載&PDF/A、PDF2.0(ISO-32000-2)への対応
今回調査した20製品の内、ペーパーレス化に必要な機能(※1)を持つ製品の中で、最も導入コストの安いSkyPDF Professional 7。そういった機能性やセキュリティ機能、コストパフォーマンスの高さが評価され、様々な企業・官公庁への導入実績を誇ります。
Officeソフト「JUST Office」やワープロソフト「一太郎」と同じメーカーによって開発されたPDFソフト。
そういった連携ソフトから直接PDFを作成・編集できるなど、日常的に同ソフトを使用している企業にとっては、高い業務効率化が図れます。
業界内で圧倒的な知名度・実績を誇るAcrobatシリーズ。中でも同ソフトは、Photoshop、illustratorといったソフトを使用する制作現場のペーパーレス化にオススメ。ソフトの開発元企業だからこそできる、スムーズなPDF変換が期待できます。