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PDF/VT

2010年に発行されたPDF/VTについて紹介します。ここでは、PDF/VTについて、準拠レベルや注意点などを詳しくまとめました。PDFソフトの導入や入れ替えの参考にしてください。

PDF/VTとは

PDF/VTは、可変印刷向けの規格になっており、ISO16612-2にて規定されています。さまざまな印刷でバリアブルドキュメント印刷 (VDP) を可能にするように設計されています。PDF/VTが選択されているときは、PDF出力ファイル形式を除いて、すべてのPDFオプションが無効になります。

PDF/VTはデスクトップ印刷からデジタルプロダクション印刷など多種多様なコンテンツとの連携に対応し、さまざまな環境で可変データ印刷に対応できるようになっています。トランザクション情報とカラープロモーションデータとの統合も可能です。トランザクション印刷には請求書・明細書、その他のドキュメントが含まれます。これによって、その他のコンテンツ処理が改善。HVTO印刷データのページ管理に役立ちます。

PDF/X-4・PDF/X-5gの上に構築されるPDF形式で、透過やレイヤー、ICCベースのカラー管理などが含まれます。PDF/VTファイルは、Adobe Acrobatビューアーで開くことができるので、コンポーネントを追加する必要はありません。

準拠レベル

PDF/VT-1

2010年に公開されたPDF/VT-1は国際規格(ISO16612-2)に規定されています。自己完結型ファイルで構成されており、ファイル内に印刷に必要なリソース(イメージ・カラープロファイル・フォント等)がカプセル化されています。PDF/VT-1ファイルは、PDF/X-4仕様にも準拠しています。正確なレンダリングには準拠したビューアーが必要です。

PDF/VT-2

PDF/VT-2は、プライマリ PDF/VT-2 ファイルと、セカンダリ PDF ファイルから成ります。プライマリファイルはPDF/X-4p、PDF/X-5g、PDF/X-5pgのいずれかに準拠していなければならず、セカンダリファイルはPDF/X-1a、PDF/X-3、PDF/X-4のいずれかに準拠する必要があります。

PDF/VT-2s

PDF/VT-2sは、一つまたは複数のPDF/VT-2sファイルセットからなるジョブです。複数のファイルセットで問題が発生しやすい処理でも、MIMEを使用して一つのストリームにエンコードすることで、安定した処理を行うことができます。