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PDF/A-2

これからのビジネスシーンにPDF/A規格が必須である理由

PDF/A規格が必須である理由は、長期保存に耐えうる安定性の高いファイル形式であるためです。

ビジネスシーンにおいては、契約書や請求書、報告書などの文書が頻繁にやり取りされます。これらの文書を長期保存する必要がある場合、保存形式によってはファイルの破損や内容の変化が起こり、再利用ができなくなる場合があります。

一方、PDF/A規格は、フォントや画像などの埋め込みを必須とし、ファイル内部の情報を保護することができます。また、長期保存に適した形式であるため、数年後でも正しく表示されることが保証されています。これにより、ビジネスシーンでの情報のやり取りや保存が安定し、ビジネス上のトラブルを防止することができます。

更に、改正電子帳簿保存法が施行されたことにより、企業において電子帳簿保存が義務付けられました。PDF/A規格は、この法律にも適合しており、企業が法的に求められる長期保存にも適しています。

以上の理由から、PDF/A規格はビジネスシーンにおいて必須であり、今後ますます普及していくことが予想されます。

PDF/A-2とは

PDF/A-2とは、国際規格ISOが標準化したPDF/A-1のリリース後、2011年7月にリリースされた規格です。そもそもPDF/Aとは、PDF文書ファイルの長期保存のために仕様を特化させた国際規格。

PDF/A-2は、2005年当初のPDF/A-1よりも利用できる機能が追加されていて、ISO規格32000-1に基づいています。

すでに文書をPDF/A-1に変換したものは十分に働いており長期アーカイブとして保存されるため、PDF/A-2に再変換する必要はありませんが、PDF/A-2で追加された機能を導入したほうが使い勝手が良い、PDF/A-2に変更したほうがメリットを得られる場合は、新しい規格であるPDF/A-2の導入が薦められます。

いずれにしても、PDF/A-1とPDF/A-2どちらもPDF文書の長期保存を目的としており、完全にサポートされる点に変わりはありません。

PDF/A-1との違い

PDF/A-2は、PDF/A-1にはなかった多くの機能が導入されています。ここでは、PDF/A-2で追加された主な機能についてまとめました。

JPEG2000

PDF/A-1(PDFバージョン1.4)規格のリリース後、バージョン1.5で導入されたのがJPEG2000圧縮です。

JPEG2000とはJPEG規格委員会が策定した新しいJPEG形式で、ISO規格として設定されています。JPEG2000圧縮導入により、マップや本、帳簿書類、パスポートなど、カラーの書類をスキャンした際に、より高い圧縮率で高品質の画像を実現できるようになりました。

別のPDF/Aファイルの埋込

PDF/A-2では、コレクション(ポートフォリオ)の生成が許可されています。コレクションには複数のPDF/Aファイルがコンテナに結合され、PDF/A コレクションの埋め込みをサポートするので、例えば電子メールの添付データPDF/Aを電子メール本文のPDF/Aの内部に格納したり、それぞれのページに電子署名を行なったりする際に便利です。

また、これらコレクションは単一のページを結合するため、それぞれのページを検証する必要がなく削除しやすいメリットがあります。

透明

リリース当初のPDF/Aでは、透明な画像を含んではならないという規格でした。ですがPDF/A-1の時点から透明オブジェクトを含んでよいと仕様が変更されています。PDF/A-2ではPDFファイルの透過機能が完全にサポートされました。ドロップダウンシャドウやクロスフェード、ハイライトマークアップで利用可能です。

レイヤー

マッピングアプリケーションやエンジニアリング図面に便利なレイヤーのオプションコンテンツが追加されました。閲覧者の要求情報に従って、表示または非表示にすることができます。

例えば、見る人によって異なる言語を表示したい国際的な製品マニュアルを、PDF文書にしたい際などに便利です。

準拠レベルPDF/A-2u

PDF/A-2に新しい準拠レベルが加わったのがPDF/A-2uです。「u」は「Unicode」の略で、光学式文字認識でスキャンしたPDF文書やPDF文書のためのUnicodeテキストのコピーテキストを簡素化します。Unicodeテキストをデジタルで生成したPDF文書や、光学式文字認識で作成したPDF文書をコピーする際に役立ちます。